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10月と言えば、大学受験においては「模試ラッシュ」です。10~11月でさまざまな模試が実施されます。これまでの勉強の成果が数値化されるので受験生にとっては、とても緊張する瞬間。また、受験生は、この時期の模試結果を受けて、出願校や出願方式の方針を決定しますので、とても重要な模試が続きます。
ただ、一口に「模試」と言っても、種別ごとに特徴があり、返却される成績表において注目すべき点も異なります。まずは、模試を3つに大別してみましょう。

マーク模試 大学入学共通テストを想定したマーク式の模試。
記述型模試 特定の大学には特化しておらず、
多大学で通用する汎用的な学力を測定する模試。
冠模試 大学名を冠した模試。
特定の大学の出題傾向や難易度に沿って作成されている。

そして、2025年10~12月に実施される主な模試を、この3類型で区別すると以下のようになります。

期間 駿台 河合塾 東進
10月1~10日 第3回全国記述模試 京大・東北・九大本番レベル模試
10月11~20日 九大入試実戦模試
第2回駿台・ベネッセ記述模試
第3回全国共通テスト模試 東大・北大・名大・阪大本番レベル模試
10月21~31日 北大・名大入試実戦模試 第2回東大入試オープン 医学部82大学判定テスト
11月1~10日 第2回東大入試実戦模試、阪大入試実戦模試、神戸大入試実戦模試
第3回駿台ベネッセ大学入学共通テスト模試
第2回京大入試オープン、第2回名大入試オープン、東科・一橋・東北・北大・阪大・神大・九大入試オープン 全国統一高校生テスト
東科・一橋・広島本番レベル模試
11月11~20日 京大・東北大入試実戦模試 全統プレ共通テスト 千葉・神戸本番レベル模試
大学合格基礎力判定テスト
11月21~30日 早大・慶大レベル模試
全国国公立記述模試
上理・明青立法中レベル模試
関関同立レベル模試
12月1~31日 駿台atama+プレ共通テスト 第4回共通テスト本番レベル模試

では次に、この3類型ごとに、成績表(帳票)において注目すべき点をご紹介します。

①マーク模試

もっとも注目すべき点は「得点」です。実際の模試での得点も重要ですが、多くの模試で「本番換算得点」も表示されます。今回の模試で70点取った人は、本番の共通テスト難易度では75点取れる見込み、というのが、この本番換算得点です。国公立大学の第一段階選抜や私立大学の共通テスト利用方式など、共通テストは「得点」そのものを判断に使うことが多いので、マーク模試でも「得点」を意識すべきです。逆に、数Ⅲが出題されないですし、英語の形式も他の大学入試問題とは大きく異なるので、偏差値や合否判定のアルファベットは目安程度の認識にとどめ、合否判定においては、後述の記述型模試や冠模試をより重視してください。

②記述型模試

もっとも注目すべき点は「偏差値」です。特定の大学に特化している模試ではないので、この模試の配点や難易度・形式をそのまま合否判定に用いるのは難しいですが、各科目の偏差値は重要な指標となります。模試の難易度により平均点や得点そのものは変動しますが、さまざまな学力層の生徒が受験する模試の性質上、自身の相対的な位置を偏差値で測ることが可能です。ただ、特定の大学の受験者だけが集まっている母体ではないので、例えば東京大学などの最難関国公立大学のA判定をこのタイプの模試で取るには、きわめて高い偏差値を求められるケースがあります。

③冠模試

もっとも注目すべき点は「判定」です。特定の大学に特化した模試なので、その大学を志望する生徒が集まります。よって、上記①②と比較して、特に国公立大学の合格可能性がより正確に測れる模試と言えます。逆に言えば、同じような学力層が集まるので、偏差値は出にくく、その模試の問題難易度によって得点も大きく変動します。偏差値50を超えるだけでも「悪くない」と言えますし、120点満点の科目で40点しか取れなくても偏差値60が出る可能性もあります。なお、多くの冠模試では「B判定まであと何点」といった情報も得られますので、その得点差を意識して復習することをお勧めします。また、大問ごとの偏差値も成績表に記載される場合が多いので、復習の優先度を決める際の参考にしましょう。

以上を簡単にまとめると以下のようになります。

得点 偏差値 判定
マーク模試
記述模試
冠模試

秋の模試ラッシュ、まずは目標をもって臨んでほしいものです。そのためにも上記の違いを意識してみるとよいでしょう。また、非受験学年の生徒さんは、まずはマーク模試で自身の共通テスト得点力を測ることが不可欠です。また最難関大を目指す方は特に、1つ上の学年用の記述模試や高3用の冠模試を飛び級受験してみることをお勧めします。特に冠模試は、「憧れの大学と自身の現状との差」が数値化されるので、今やるべきことが明確になるはずです。模試は受けることが目的ではなく、「どう受けるか+受けた後どうするか」が肝心です。早稲田アカデミー大学受験部では、第一志望校合格まで、どの科目をどういうバランスで勉強していくべきか、のアドバイスに長けている講師が各校舎に常駐しています。もしご不安や相談事があれば、是非校舎までご相談ください。今から始める「キミの勝ち筋」が必ずありますよ。

早稲田アカデミー
大学受験部長 兼 大学受験部御茶ノ水校校長
加藤寛士