学費ナビ

大学の学費はいくらぐらい?

学部ごとでの学費が異なる私立、文系と理系ではどのくらい違う?

国立大学の学費は文科省によって標準額が定められ学部ごとの差は基本的にありませんが、私立大学では大学ごとだけではなく、学部・学科ごとに学費が異なります。
国立大学の初年度納入金が約82万円(標準額)なのに対し、私立大学は施設設備費、実験実習費などの費用を加えた初年度納付額の合計は平均額で、文科系学部約127万円、理科系学部169万円、医歯系学部に至っては649万円と国立大学の8倍近い金額になります。

私立大学の初年度学生納付金の平均額

合計 入学料 授業料 施設設備費 実験実習料
その他
文科系 文・教育 1,304,254 225,770 821,813 155,794 100,877
神・仏教 1,206,712 221,067 770,742 154,743 60,161
社会福祉 1,253,057 216,339 782,154 170,198 84,366
法・商・経 1,251,607 226,215 812,758 141,447 71,187
平均 1,272,437 225,651 815,069 148,272 83,445
理科系 理・工 1,627,375 238,432 1,111,240 154,990 122,712
2,178,441 334,717 1,427,708 311,125 104,891
農・獣医 1,618,701 251,393 1,008,511 208,826 149,972
平均 1,690,024 251,029 1,136,074 179,159 123,762
医歯系 7,048,182 1,340,379 2,670,071 1,097,202 1,940,530
5,485,210 599,454 3,267,136 631,960 986,659
平均 6,491,064 1,076,278 2,882,894 931,367 1,600,525
その他 家政 1,409,673 240,706 828,378 186,041 154,547
芸術 1,790,991 242,414 1,130,319 273,410 144,849
体育 1,441,287 250,277 839,357 210,443 141,211
保健 1,703,740 266,006 993,583 246,452 197,699
平均 1,632,148 254,836 969,074 235,702 172,536

※文部科学省「令和3 年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」を基に作成
※医学部看護学科は「保健」区分に含む

また、私立大学は学部・学科ごとでも学費が異なり、一般的に文系学部より、実験・実習科目が多く、そのための施設設備が必要になる理系学部や芸術系学部の方が高額になります。医・歯系学部ではさらに高額になり、初年度分だけでも文系学部の4年間の学費を上回るほどです。しかも、医歯、薬(薬剤師養成課程)と獣医学部は6年制なので、他の学部より2年分多く学費が必要になり、在学中の総額はより大きなものとなります。

では、卒業までの4年間または6年間で必要になる学費の総額はどのくらいになるのでしょうか?
下の図は、上の表を元に在学中の学費総額を計算したものです。
★計算方法: 学費総額=(授業料+施設設備費+実験実習料・その他)×修業年限+入学金

在学期間中の学費総額

私立大学では志望する学問分野によっても必要となる学費が大きく異なることがお分かりになると思います。同じ私立大学でも文科系を基準にすれば、理科系で1.4倍、医歯系では8倍近い金額になります。

学費が安いから国公立大学へ、とは安易に考えることができないのが大学進学です。実際、文部科学省「令和3年度 学校基本調査」の発表では、60万人の大学進学者のうち、約8割にあたる48万人が私立大学に進学しています。このことからも大学進学に関わる費用は、まずは私立大学の学費をベースとして考えていくことが必要になります。
また、ここで説明した金額はあくまでも平均額です。実際には私立大学では大学ごとでも金額が異なりますので、志望する学問分野の大まかな学費を把握した上で、次のステップとして大学ごとの学費を調べていく必要があります。
「大学進学 学費ナビ」では、志望分野から簡単に学費を検索することができます。まずは志望分野にはどんな大学・学部があり、学費はどのくらいなのか、調べてみませんか。

参照資料
・文部科学省「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
・文部科学省「学校基本調査-令和3年度 結果の概要-」